こんにちは、けいたろうです。
今、大阪市を解体して大阪府の特別区にする構想が行われています。
確かに明治維新の頃は京都市と大阪市と旧東京市には市長はおらず、府知事が市長を兼務していました。いわゆる「市制特例」です。(参照)
1898年(明治31年)に法改正が行われて、「市制特例」は廃止されました。その為、それぞれ市に「市長」が置かれるようになりました。
ところが、第二次世界大戦中に東京だけが「都政」になりました。要は元の「市長無しで知事が兼務する体制」に戻ったのです。
さらに、戦後区域も現在の23区に改められました。
京都と大阪はそのままに取り残されてしまった訳です。
これが、今日の大阪府と大阪市の問題に発展したのではないでしょうか?
もともと、「都政」だった訳ですから「元に戻して欲しい」と言う意見があるのも分かる気がします。
大阪都構想で福祉はどうなる?

現在の大阪府の経緯はこれくらいにしましょう。
最も問題になるのは福祉がどうなるか?ですよね。
政令市の大阪市と堺市、それに中核市の豊中市や高槻市などは大阪府とは独立して福祉行政を行っています。
もちろん、大阪府内でも大阪市の福祉は非常に充実しています。
障害者手帳で割引されるところも多いですし、バスや地下鉄もバリアフリーはかなり進んでいます。
しかし、大阪府の他の所はそれほどでもありません。
やはり、経済的に豊かな大阪市と比べると他の所は障害者手帳で割引ができる所も少ないです。(参照)
大阪都政になろうがなるまいが、現在の大阪市域の福祉は充実化しますが、他の市町村はそれほど変わらないでしょうね。
大阪市域にしかメリットがない
大阪府は大阪市だけではありません。
吹田市や豊中市など沢山の市があります。
この大阪市を解体して大阪府に編入する方法だと、現在の大阪市域にしかサービス向上のメリットがありません。大阪府内の他の市町村に関しては、ほとんど変化はありません。
東京の例から都政を考える
これは、東京23区と多摩・離島地域の関係と同じですね。
東京都の場合、ほぼ全ての物が23区に集中しています。
私自身も東京の多摩地域に住んでいたことがあります。
多摩地域は23区との大きな経済格差があると感じています。
さらに言うと小笠原諸島や伊豆諸島は23区ともっと格差があります。
都外の人からは「都民」と見られない事もありました。世間で「東京」というと「23区のことを指すんだな」とがっかりした記憶があります。

福祉も23区と比べると遅れています。福祉施設の数も少ないですし、人員も十分ではありません。
なので、大阪都になると大阪市域ばかりが発展して、それ以外のところがないがしろにされるのではないか?と心配しています。
大阪府には大阪市以外にも素晴らしい街は沢山あります。
東京のように区部ばかりに集中するような行政運用をして欲しくないですね。